あゝ高堂屋庄次郎(小松市)            作詞:無城正芳 作曲:岸 泰二央

 

1 高堂屋庄次郎 義をみて立った うらで操る 米価のあらし

  けがれた浮世の 清めの掃除 おれがやらなきゃ だれがやる

  小松のためだよ なあおふたりどん

2 高堂屋庄次郎 男でござる 口はさけても 言わぬが花よ

  打ち首はりつけ 独りでうける 何の世のため人の為

  そうではないかよ なあ 庄兵衛どん

3 高堂屋庄次郎 八里の道を 馬に乗せられ 縄つき姿

  姿変われど 心は錦 街は涙の 人の波

  うれしいじゃないかよ なあ太郎右衛門

 

       文化5年(1808年)5月雨の降りしきる真夜中に小松市東町にある勧帰寺の梵鐘が不意に鳴り響く、と覆面した500人余りの百姓が上手から下手からにと分かれて八日市町に集まってきた。すなわち、米騒動である。米価のために起こった打ち壊し事件である。これに登場する高堂屋庄次郎の人物を昭和62年、唄に託し創作した。昭和62年発表。

(小松市「ふる里の民謡」第1集・小松郷土民謡会編引用)