安宅の関所音頭(小松市)  作詞:鉄井佼山 採譜:木下健次  採譜・編曲:加賀山昭

1 木曾の古道 蓑着て通ろ(ホイナ) 情けいたしむ 宵時雨(エーサ ヤレ 辛かろう)

  (以下はやしことば「ホイナ」を省略)

2 関に降る雨 男の涙  弁慶泣いたよ ただ一度(エーサ ヤレ わしもまた)

3 首尾(しゅび)も義経 二ツ堂山で  松と答えて おぼろ月(エーサ ヤレ まつばかり)

4 打つに重たい 金鋼杖を  上げりゃほろりと 松の(つゆ)(エーサ ヤレ 涙かよ)

5 旅の衣は 篠懸(すずかけ)ときん (おい)に松葉が 散りかかる(エーサ ヤレ 木曾街道)

6 辛い逢瀬(おうせ) 人目の関を  通す富樫の 男伊達(だて)(エーサ ヤレ うれしいね)

7 昔思えば 二ツ堂曇る  関の富樫の男伊達(エーサ ヤレ 焚松葉)

8 口は空言 勧進帳よ  わしの心で 実がある(エーサ ヤレ 君のため)

9 昔恋しゅて 来た関の跡  何故に松葉のツンとさす(エーサ ヤレ 月が出た)

 

   小松市安宅地区で8月の旧盆に唄い踊られる盆踊り唄である。勧進帳で有名な安宅関のある地区で詩章は、勧進帳を唄い込んだものもので、作者は不明である。創作みんようである。

安宅地区では、娘さんに島田を結って赤い襦袢を着せて踊らせたという。これは「家」の娘はそろそろ年頃、お嫁に出してもよいという親の気持ちを唄った様である。これも集団見合いの場であろう。富樫左衛門様もこの親の気持ちは既にお見通し。(歌詞解説「全楽譜・北陸民謡集」加賀山昭編から引用)