郷谷田きり唄(小松市)

 

1 切れた切れたと 人目にみせて 水に浮草 根が切れぬ

 (トシャッキ シッキ シッキ)(以下はやしことば略)

2 花は千咲く なる実は一つ 九やく九十九は あだで咲く

3 恋にこがれてなく蝉よりも なかぬ蛍が身を焦がす

4 殿ま今来て早よ行こ行こと あさぎ染めより紺がよい

5 一つ唄いましょう親様御免 色の混じらぬ唄はない

6 来たり来なんだり夏川の水を さほどいやなら来んがよい

7 カラスなぜなく女郎屋の屋根で 金も持たずに買いを買をと

8 殿と旅すりゃ月日も忘れ 鶯鳥なきゃ 春なそな

9 酒という字はさんずい辺に酉や 酔いが回れば唄いだす

10      お前好きならその唄返せ 水に浮き草根が切れぬ

 

◆大谷岳に水源を持つ尾小屋川と動山から流れる西俣川が岩上町で合流し、郷谷川となり、流域を里谷という。その流域にある金平町は、鉱山町で男衆は皆鉱山に行くので、野良仕事は女衆でなければならなかった。一度耕した田圃の稲株を切り裂く時に音に唄を唄った。この唄は、大正初期とは思えぬ近代的なメロディーで面白く、七七七五調の歌詞もまた明朗ある。昭和50年発表した。(小松市「ふる里民謡」第1集小松郷土民謡会から引用)