小松糸引き唄(小松市)

 

1 糸引きや辛うて あんまに口説きゃ

  つらきゃ糸引き 止という

2 辛いわいのと あんまに口説きゃ

  辛きゃ北海道へ 連れて行く

3 連れて行くなら 一夜も早く 心変わりのせぬうちに

4 殿まとられて 泣く人おかし とればとり得 とられ損

 

   加賀前田利常の隠居城となったこまつは、その城下町として飛躍的な発展をしめた。利常は絹織物等を奨励し、小松綸子、小松宿緬、なかでも撚糸業が盛んである。小松を代表する産業の織物の原点を知ることも大切ではなかろうか。糸引き唄、機織唄は、明治期から昭和初期にかけて農山地区と兼業として養蚕が盛んにおこなわれた。繭から糸を引くときに唄ったという。(小松市「ふる里の民謡」第1集小松市郷土民謡会編より引用)