黒島ハイヤ音頭(輪島市門前町)              採譜 松嶋庄次

 

(ハイヤーハットセーエノマカセー)

1 アーハイヤアーハーエー(サードッコイショドッコイショ)

  小松原より駒曳き出す(シャンシャントコセーシャントコセー)

しげとの弓をばイナー小脇に抱え(エーシャントイ)

ひらり馬にとうち跨りて(ハイヤーハットセーエノマカセー)

(以下はやしことば略)

2 沖の的をも定まらずして 与一しばらく 念力となえる

  天津八幡那須明神と

3 しめて放せば扇の的の 要どころは はっしと射抜く

  平家方は船端たたく

4 平家方より船端たたく めでためでたの源氏の方や

末は鶴亀五葉の松(サードッコイサードッコイサー)

 

◆輪島市門前町黒島では、昔からハイヤ音頭という盆踊りが踊られている。その昔、黒島では、琵琶や講談等に出てくる那須の与一誉れ、平井権八小紫口説き、心中物語、鈴木主人、目蓮尊者の地獄巡りなどの口説き調の唄を盆踊りや宴席で唄ってきた。村人たちはこうして大昔の話を伝えたのであろう。那須の与一誉れの唄いだしがハイヤーとあることからハイヤ音頭と呼ぶのであろう。今日、盆踊りとなると村人たちの最も得意曲として踊られている。