諸江住吉おどり(金沢市諸江地区)           作詞曲:南部幸七 三味線譜:松嶋庄次

1 ハアー 人は和になれ、輪になって踊れ  老いも若きも 皆出て踊れ

  住吉踊りで末繁盛

2 ハアー お宮参りで願いが叶い 夏だ今年も 夫婦で踊りゃ

  かかしもうらやむ 仲の良さ

3 ハアー三日三晩で習うてみたが おどりややこし 手足が合わぬ

  恥までかくやら 汗もかく

4 ハアー 嫁は唄好き 孫まで踊る 息子太鼓で皆出て浮かれ

  親父も笛吹き 踊らせる

5 ハアーわしの在所の名物男 今年どこかと 覗いてみれば

  お尻をからめて ほうかむり

6 ハアー唄が続くよ おどりも続く ゆかたすがたの 踊りが揃う

  住吉踊りの 手が揃うた

7 ハアー 浅野川から そよ吹く風は 在所繁昌の 宝の風よ

  安江も諸江も 皆なびく

 

◆天保年間、浅野川下流の弓取村の住民は、昔から雨季の入ると長雨と浅野川の氾濫で田畑や家屋が流された。特に下安江、諸江の入江の人々は、その都度苦難に泣かされた。村民は安江住吉神社に集まり、対策を練ったが、なかなか良い案はなかった。やがて藩政時代に入り、水難から農民を守る堤防が築かれたため、祭礼にその喜びと一年の無事を祈願し、唄い踊ったのが「諸江住吉踊り」の始まりと伝えられている。昭和60年、弓取村が金沢市に編入して60年周年なるのを機に、史実や参考文献を頼りに踊りの復活に形づくったのである。

◆毎年7月、第3日曜日の夕方に金沢駅西近郊の5校下(地域)による「駅西夏まつり」(平成28年夏現在第30回)が開催されている。まつりは、長田校下の「長田権作音頭」、鞍月校下の「南無とせ節」、諸江校下の「住吉おどり」、西校下の「加賀むぎや節」、戸板校下の「戸板野じょんから」、さらに駅西に共通する「天保流れ節」の踊り曲が登場し、特設舞台では、参加する各校下が順番で音頭取りするが、参加の他校下住民もすべて踊りをマスターしていて、5校下参加住民が総踊りする地元色の濃い盆踊り大会である。